日本の主要大企業はIFRS基準移行済みなのか調べてみた
こんにちは。今日は、日経新聞さんのこちらの記事のThinkという編集委員さんのコメントで「日本の主要大企業はすでにIFRSに移行」と記載されていて、そうなんだ~!と思ったので、実際に調べてみました。www.nikkei.com
個人が趣味で行っている集計なので、粗い点(元データの時点が6月末と7月8日で混在、時価総額の算定方法の差異の有無は未確認、IFRS適用会社の時価総額は後述の時価総額ランキング1,000社に限定しています、計算において百万円未満は無視)はご容赦ください。
誤りがあればコメントで指摘いただけると嬉しいです。
もくじ
集計元データ
IFRS適用企業
日本取引所グループで公表されているIFRS適用済・適用決定会社一覧 | 日本取引所グループから、2025年6月末現在のIFRSを適用している会社、適用して上場した会社、適用が確定している会社、合計294社を使用しています。
各社の時価総額
Yahoo!ファイナンスの日本株ランキング(時価総額上位) - Yahoo!ファイナンス(更新日時2025年7月8日 18:40)の上位1,000社を使用しています。
市場全体の時価総額の総額
日本取引所グループで公表されている市場別時価総額 | 日本取引所グループの2025年6月末の時価総額合計(1,012,608,272 百万円)を使用しています。
IFRS適用会社の時価総額が市場全体に占める割合
IFRS適用会社(適用確定含む)294社のうち、時価総額ランキング1,000位に入っている会社は206社で、時価総額の合計は484,508,688百万円でした。
これを、市場別時価総額の合計(1,012,608,272 百万円)で割ると、おおよそ47.8%になります。
ランキング1,000位に入っていない会社が88社あり、ランキング1,000位の会社の時価総額が82,806百万円なので、仮に82,806百万円×88社とすると、7,286,928百万円です。
ランキング1,000位以内分の484,508,688百万円+7,286,928百万円=491,795,616百万円を市場別時価総額の合計で割ると、48.6%になります。
このため、IFRS適用会社(適用確定含む)の時価総額が市場全体に占める割合はおおよそ48%と計算されました。
時価総額上位100社のうち、IFRS適用会社の数
時価総額上位100社のうち、IFRS適用会社(確定含む)の数は56社(56%)でした。
時価総額上位200社で95社(47.5%)、300社で122社(40.7%)、400社で145社(36.3%)、500社で155社(31%)、1,000社では206社(20.6%)です。
時価総額の大きい会社の方が、IFRS基準の適用率が高いと言えそうです。

ちなみに、時価総額上位10社では6社(60%)、20社で13社(65%)、30社で22社、40社で26社、50社で32社、60社で37社、70社で42社、80社で48社、90社で52社でした。
100位までだと、優位性は感じませんね。

時価総額上位100社のIFRS基準適用状況
IFRS基準を適用していない会社で時価総額上位の10社は、(株)三菱UFJフィナンシャル・グループ、任天堂(株)、(株)三井住友フィナンシャルグループ、(株)キーエンス、東京エレクトロン(株)、東京海上ホールディングス(株)、(株)みずほフィナンシャルグループ、信越化学工業(株)、(株)セブン&アイ・ホールディングス、(株)オリエンタルランド、です。
メガバンクが3社も入っていますね。
上位100社の状況は以下の画像の通りです。表が上手く作成できず、字が小さい画像で申し訳ないです。

まとめ
時価総額の大きい会社の方がIFRS基準適用率は高く、市場全体の時価総額に占めるIFRS基準適用会社の割合はおおよそ48%、時価総額上位100社では56%でした。
私は、時価総額で上場会社のおおよそ半分、時価総額上位100社で56%なので、「主要大企業はIFRS基準移行している」、というほどではないかな、という感想です。
東京証券取引所の調査結果(2024年3月期)
東京証券取引所の2024年度の調査結果がありました。今回の集計と同じような結果です。(適用を検討、まで入れると割合は増えますが、まだ確定していないので範囲外と考えています。)